さくらんぼ狩り小野まるしょう農園 苗木の育て方

おうとう(さくらんぼの木)苗木の育て方

さくらんぼの種を蒔いておいても芽が出てくることはほとんどありません。
もし発芽したとしても、種には元の実(食べた実)とは違う遺伝子が組み込まれているため、同じ性質の果実が成る木にはなりません。
つまり、美味しい佐藤錦の種を植えても発芽することは稀で、運良く発芽したとしても元の実のように美味しい実が成ることはあまり期待できないということです。
では、どうやって美味しいさくらんぼが成るおうとうの木を増やすかというと、「接木」による方法が一般的です。

接木とは

台木(根を張る部分)に穂木(佐藤錦などおうとうの品種の枝)をくっつけて一体化させる方法です。
接合部より下は台木の性質を、接合部より上は穂木の性質を持った苗木ができます。

台木

接木した苗木の地下になる部分(根を張る部分)を台木と呼びます。
台木はおうとうと親和性のあるさくらの木(山桜・大島桜・青葉桜など)を使いますが、台木によって木の大きくなり方や結実までの期間も変わってきます。野鼠による根の食害の度合いや根の病気のかかりやすさなども台木によって変わりますので、台木の選択はとても重要です。
台木は苗を購入することもできますし、品種によっては挿し木で増やすことも可能です。

穂木

台木に接がれるおうとうの木の枝を穂木と呼びます。
接木でできた苗木は穂木の性質をそのまま持った、いわばクローンということになりますので、良い果実が実る増やしたい木から穂木を採取して接いでいくことが必要です。

接木の方法

接木の方法として良く行われるのは、穂接ぎ(切り接ぎ)と芽接ぎですが、ここでは穂接ぎの方法について概要を記します。

3/28接木

台木を地上10〜15cm位でバッサリ切って、穂木と形成層を合わせた状態で接木テープで固定します。
穂木には1芽あれば良いのですが、安全のために2芽の穂木を接いでいます。
穂接ぎの時期は台木が動き始める3月末頃ですが、穂木は2月頃に採取して冷蔵保管しておいたものを使います。


接木をしてから1ヶ月くらい経つと穂木から芽が出てきます。
台木からも芽が出てきますが、穂木の成長に養分を集中させるために台木から伸びてきた芽は切ってしまいます。


これは5月初旬の様子。2芽ともにだいぶ伸びてきました。
十分伸びることが確認できたら片方の枝は切ってしまいます。


接木から1年経った苗木です。
右は接木をしてから1年後の接木接合部の写真です。
写真のちょうど中央部で台木と穂木が接合されて一体化しています。



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